SCS評価制度により、委託先管理やセキュリティチェックシート運用はどう変わるのか。
制度の概要、★3・★4の考え方、回答根拠や確認履歴を残す重要性、今から準備できる運用の見直しポイントを、実務者目線で解説します。
また、SCS評価制度をきっかけに、委託先管理をExcelやメールで続けるべきか、委託先管理ツールやチェックシート管理システムを検討すべきか迷う企業も増えていくと考えられます。
本記事では、制度そのものの説明に加えて、委託先管理の運用をどこから整えるべきかも整理します。
企業活動において、取引先や委託先を含めたサプライチェーン全体のセキュリティ対策が重要になっています。こうした背景のもと、経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室は、「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」(略称:SCS評価制度)の制度構築方針を公表し、制度の具体化が進められています。
委託先管理やセキュリティチェックシートの運用に関わる担当者のなかには、「自社にも何か対応が必要になるのではないか」と感じている方もいるかもしれません。
ただし、はじめにお伝えしておきたいのは、SCS評価制度は任意制度であり、商取引を直接規制するものではないという点です。
評価を取得しないと取引ができなくなる、といった性質の制度ではありません。
過度に不安を感じる必要はありません。
一方で、制度の運用が本格的に始まれば、取引先によっては、今後セキュリティ対策状況の説明を求められる場面が増える可能性があります。
そのとき問われるのは、チェックシートの項目を新しく作り替えることよりも、委託先の対策状況を継続的に確認し、その根拠や確認履歴をあとから説明できる状態を整えているかどうかです。
この記事では、SCS評価制度の概要を整理したうえで、委託元・委託先それぞれの確認業務にどのような影響がありそうか、そして委託先管理やセキュリティチェックシート運用において今から準備できることは何かを、実務者目線で説明します。
SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)とは
SCS評価制度とは、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を、共通の基準で評価・可視化するための制度です。
経済産業省は、2026年度末頃(2027年3月頃)の制度開始を目指すと公表しています。
制度の目的と運営・監督主体
この制度の目的は、大きく次の3点に整理できます。
第一に、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を、共通基準で評価・可視化することです。
これまで委託先のセキュリティ対策状況は、各社それぞれの様式や基準で確認されることが多く、確認する側・される側の双方に負担が生じやすい状況がありました。
第二に、委託元企業・委託先企業双方の負担軽減です。
共通の基準を参照できれば、毎回ゼロから確認項目を設計したり、取引先ごとに異なる様式へ個別に回答したりする手間を減らせる可能性があります。
第三に、サプライチェーン全体のセキュリティ水準の底上げです。
個社単位ではなく、取引のつながり全体で対策状況を捉えていく考え方が背景にあります。
SCS評価制度は、経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室の監督のもと、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営を担う制度です。
制度構築方針や概要資料は経済産業省から公表されており、IPAでは要求事項・評価基準、FAQ、今後の申請方法など、実務に関わる情報が順次公開されています。
最新の情報は、これらの公式情報で確認できます。
なお、SCS評価制度が求められる背景や、現場の負担を減らしながら実態のある運用を実現するための考え方は、経済産業省準拠のセキュリティ対策評価チェックシートでも解説しています。
任意制度としての位置づけと商取引・製品導入との関係
SCS評価制度を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが、その位置づけです。
整理すると、次のようになります。
- 任意制度である
- 商取引を直接規制する制度ではない
- セキュリティ対策レベルを競わせる格付け制度ではない
- 特定のセキュリティ対策製品の導入が必須となる制度ではない
つまり、SCS評価制度は「取得しないと不利になる順位表」のようなものではなく、特定のツールや製品を導入すれば対応できる、という性質のものでもありません。
あくまで、セキュリティ対策状況を共通の物差しで確認しやすくするための仕組みとして設計が進められています。
制度を名目にした不適切な勧誘が増えていることも事実であり、営業や提案を受けた際に何をどう確認すべきかについては、SCS評価制度対応と言われたら何を確認すべきかで詳しくまとめています。
この前提を押さえておくと、後述する「★(段階)の扱い」についても、冷静に整理しやすくなります。
★3・★4・★5における評価基準と今後の公開スケジュール
SCS評価制度では、セキュリティ対策状況を段階(★)で表す考え方が示されています。
本記事では、現時点で内容が公開されている★3・★4を中心に整理します。
| 段階 | 評価の考え方 |
| ★3 | セキュリティ専門家が、取得を希望する組織が作成した書類の確認を行う段階。いわば「専門家確認付き自己評価」であり、単なる自己申告だけにとどまらない点が特徴です。 |
| ★4 | 評価機関および技術検証事業者が、要求事項に関する文書確認に加え、実地審査および技術検証を行う段階。第三者評価および技術検証を求める段階として位置づけられています。 |
| ★5 | 要求事項・評価基準、評価スキーム、開始時期などは現在検討中とされています。本記事では詳細未定の段階として扱います。 |
公開スケジュールについても、現時点で示されている内容を整理しておきます。
- ★3・★4の要求事項・評価基準は、2026年4月21日に公開済み
- ★3・★4の要求事項・評価基準の解説書は、2026年10月頃に公開予定
- ★3・★4の申請方法は、2026年10月頃に公開予定
- ★3・★4の取得ガイドは、2026年10月頃に公開予定
- ★3・★4の申請・登録費用は、今後公開予定
- 評価機関は、2026年12月末頃に公開予定
- セキュリティ専門家は、2027年1月以降に公開予定
- セキュリティ専門家や評価機関に関する規則は、2026年8月頃に公表予定
このように、★3・★4の要求事項・評価基準はすでに公開されています。
一方で、申請方法・取得ガイド・要求事項や評価基準の解説書は2026年10月頃、評価機関は2026年12月末頃、セキュリティ専門家は2027年1月以降に公開予定とされています。
また、★3・★4の申請・登録にかかる費用は今後公開予定です。
現時点では、評価取得の具体的な進め方を急いで決めるよりも、まずは自社の委託先確認業務の土台を整理しておくことが現実的です。
委託元・委託先の関係において想定される使われ方と実務への影響
SCS評価制度は、主に2社間の取引契約等の場面での活用が想定されています。
委託元が委託先に対して、適切な段階(★)を提示し、その対策の実施を促し、実施状況を確認していく、という流れです。
ここでは、委託元・委託先それぞれの視点で、実務への影響を見ていきます。
【委託元】「何を聞くか」から「どの水準(★)を求めるか」の検討へ
これまで委託元は、委託先に対して「何を確認するか」を自社で設計し、チェックシートの項目として整理してきました。
SCS評価制度のような共通基準が整っていくと、委託元の検討は「何を聞くか」だけでなく、「取引内容や扱う情報の重要度に応じて、どの水準(★)を求めるか」という観点も含むようになっていくと考えられます。
たとえば、扱う情報の機密性が高い委託先と、限定的な業務のみを担う委託先とでは、求める確認の深さが異なるはずです。
共通の段階が参照できれば、こうした水準の整理を、自社だけの判断に閉じずに検討しやすくなります。
【委託先】共通基準の参照による負担軽減と回答根拠(証跡)の重要性
委託先の立場から見ると、共通基準が整うことには負担軽減の側面があります。
取引先ごとに異なる様式へ個別に回答する手間が、共通の基準を参照することで軽減される可能性があるためです。
一方で重要になるのが、回答の根拠(証跡)です。
共通基準のもとでは、「対策を実施している」と回答するだけでなく、その実施状況を裏づける資料や記録を求められる場面が増える可能性があります。
回答そのものよりも、回答を支える根拠が残っているかどうかが問われやすくなる、という点は押さえておきたいところです。
取引における★の扱いは「合意」に基づくもの
ここで誤解を避けるために明確にしておきたいのが、★の取り扱いです。
委託元が委託先に★を提示し、実施状況を確認することは想定されていますが、★の取得を契約上どう扱うかは、契約当事者同士で合意されるべきものです。
つまり、「★を取得しないと自動的に取引が止まる」といった制度設計ではありません。
あくまで、取引の当事者間でどう位置づけるかが話し合われるべき事項です。
委託元・委託先のいずれの立場であっても、この点を踏まえておくことで、制度を冷静に受け止めやすくなります。
委託先ごとに確認の深さを分けるには、まず取引先の業務内容、取り扱う情報、再委託の有無などを整理する必要があります。具体的な確認項目は、取引先評価チェックリストで確認すべき項目でも整理しています。
今後のセキュリティチェックシート運用で押さえておきたい「確認と履歴」
ここからが、本記事の中心となる部分です。
SCS評価制度の運用が始まることで実務上重要になるのは、チェックシートの項目を新しく作り替えることよりも、回収したあとの確認と履歴をどう残すかです。
なお、経済産業省準拠のセキュリティ対策評価チェックシートの標準的なチェック項目や中身を詳しく知りたい場合は、別記事の経済産業省準拠 セキュリティ対策評価チェックシートとは?を参照してください。
本記事では項目そのものではなく、運用面に焦点を当てます。
「回答済み」と「確認済み」の違い:回収後の精査業務の重要性
チェックシート運用でつまずきやすいのが、「回答済み」と「確認済み」を同じものとして扱ってしまうことです。
委託先から回答が返ってきた状態は「回答済み」にすぎません。
その回答が妥当かどうかを精査し、必要に応じて根拠を確認したうえで、はじめて「確認済み」になります。
回収して一覧に並べた時点で完了とみなしてしまうと、内容の妥当性を確認しないまま運用が進むことになりかねません。
「回答済み」と「確認済み」を分けて管理することが、今後の説明責任につながります。
あとから「この回答をどう確認したのか」を問われたとき、確認の事実が記録として残っているかどうかが、説明のしやすさを左右します。
委託先数や項目が増える場合における、Excel・メール管理の限界
チェックシートの運用は、委託先が少ないうちはExcelやメールでも十分に回せることが多いものです。実際、多くの現場でそうした形が使われています。
ただし、委託先数や確認項目が増える場合、Excelやメールだけでは履歴・差し戻し・証跡管理が難しくなることがあります。
たとえば、誰のどの回答に対していつ差し戻したのか、どの添付資料が最新版なのか、前回はどう回答していたのか——
こうした情報がメールのやり取りやファイルのバージョンに散らばっていくと、あとからたどり直すのに時間がかかります。
これは「Excelやメールでは対応できない」という話ではなく、規模が大きくなるにつれて、履歴や証跡を一定の形で残しておく工夫が必要になりやすい、という話です。
この課題は、単なるファイル管理の問題ではありません。
委託先管理では、回答ファイル、添付資料、確認コメント、差し戻し履歴、前回回答がそれぞれ別の場所に残ると、あとから確認の経緯をたどりにくくなります。
そのため、委託先数が増えてきた段階では、Excelで一覧を作るだけでなく、回答状況と確認履歴をどう紐づけて残すかを考える必要があります。
差し戻し履歴や確認コメント、前回との差分管理が求められる背景
説明責任の観点で具体的に重要になるのが、次のような情報です。
- 回答の根拠資料:その回答が事実であることを裏づける添付資料や記録
- 確認コメント:確認者が「何をどう確認したか」を残したメモ
- 差し戻し履歴:内容が不十分だった場合に、いつ・どの理由で差し戻したかの記録
- 前回回答との差分:前回からどこが変わったのか(あるいは変わっていないのか)
これらが残っていないと、あとから「なぜこの委託先を妥当と判断したのか」を説明しづらくなります。
逆に、差し戻しや追加確認の経緯、前回との変更点が追える状態になっていれば、継続的な確認がしやすくなり、確認の質も安定します。
SCS評価制度を意識して委託先のセキュリティ対策状況を継続的に確認していく場合、こうした確認履歴・証跡管理の土台を整えておくことが、実務上の重要なポイントになります。
特にExcelやメールで管理している場合、回答ファイル、証跡資料、差し戻し履歴、確認コメントが別々の場所に残りやすくなります。こうした課題は、セキュリティチェックシートをExcelで管理する限界でも詳しく解説しています。
委託先管理ツール・システムを検討する前に整理すべきこと
SCS評価制度を見据えたからといって、すぐに委託先管理ツールやチェックシート管理システムを導入しなければならないわけではありません。
委託先が少なく、確認頻度も高くない場合は、Excelやメールで十分に運用できることもあります。
ただし、委託先数が増えたり、確認項目が増えたり、年次確認や差し戻しが重なったりすると、Excelやメールだけでは確認の経緯を追いにくくなります。
特に委託先管理で問題になりやすいのは、回答を回収することではなく、その後の確認です。
たとえば、次のような情報が分散しやすくなります。
- どの委託先に、いつチェックシートを送ったか
- 誰が回答済みで、誰が未回答か
- 回答は戻ってきたが、まだ確認していないものはどれか
- どの回答を、どの理由で差し戻したか
- 回答の根拠となる資料はどこにあるか
- 前回回答から何が変わったか
- 誰が最終的に確認済みと判断したか
委託先管理ツールやチェックシート管理システムで整えるべきなのは、SCS評価制度への対応そのものではありません。
重要なのは、委託先への確認業務を、あとから追える形で残すことです。
「送った」「回収した」だけでなく、「確認した」「差し戻した」「前回と比較した」「根拠資料を確認した」という過程を残せるかどうかが、委託先管理の質を左右します。
これはISMS運用における委託先管理でも同じです。
制度や認証の種類が違っても、委託先に何を任せているのか、どの情報を扱っているのか、どの根拠を見て確認したのかを残すことは、実務上の重要なポイントになります。
そのため、ツールを検討する前には、まず自社の運用で次の情報が追える状態になっているかを確認しておくとよいでしょう。
| 確認すること | Excel・メール運用で起きやすい課題 |
| 依頼状況 | どの委託先に送ったかを台帳とメールで突き合わせる必要がある |
| 回答状況 | 回答済みと確認済みが混ざりやすい |
| 差し戻し履歴 | 差し戻し理由がメール本文に埋もれやすい |
| 証跡資料 | 添付資料がメールやフォルダに分散しやすい |
| 前回との差分 | 過去ファイルを開いて比較する必要がある |
| 確認コメント | 担当者の判断理由が残りにくい |
ここで重要なのは、Excelやメールを否定することではありません。
小規模な運用では、Excelやメールで問題なく回ることもあります。
ただし、委託先管理の対象が増え、確認の頻度や深さが増していく場合は、回答回収だけでなく、確認履歴、差し戻し履歴、証跡管理、前回との差分まで一体で管理できる仕組みを検討するタイミングになります。
最近では、委託先がAIツールや外部SaaSを利用しているケースも増えています。委託先のAI利用確認で確認すべきことを整理しておくと、年次確認だけでは追いにくい変更にも対応しやすくなります。
制度の開始前に、企業が「今から準備できる」運用の棚卸しステップ
評価取得を急ぐ前に、まずは自社の委託先管理の運用を棚卸しすることが重要です。
ここでは、制度開始前の今から取り組める運用の見直しを、3つのステップに整理します。
ステップ1:委託先一覧と取り扱う情報の重要度の整理
最初のステップは、自社がどの委託先と取引していて、それぞれがどの程度重要な情報を扱っているかを整理することです。
すべての委託先に同じ深さの確認が必要なわけではありません。
扱う情報の重要度に応じて、どの委託先に、どの程度の確認が必要かを整理しておくと、★のような段階の考え方が出てきたときにも対応を検討しやすくなります。
あわせて、現在使っているチェックシートを棚卸しし、重複している項目や、確認の意図が曖昧になっている項目を見直しておくと、運用の負担を抑えられます。
ステップ2:回答根拠や確認履歴を残すルールの検討
次のステップは、回答の根拠や確認の履歴をどう残すかのルールを決めておくことです。
具体的には、回答に対してどのような根拠資料を添付してもらうか、確認者は何をどう確認しコメントとして残すか、差し戻す場合はどの粒度で理由を記録するか、といった運用ルールです。
担当者ごとにやり方がばらばらだと、あとから記録を見返したときに確認の経緯が読み取りにくくなります。
最初から完璧なルールである必要はなく、まずは「根拠」と「確認の事実」を残す形を決めておくことが出発点になります。
ステップ3:回収状況や未回答・差し戻し中の「進捗ステータス」の可視化
3つ目のステップは、チェックシートの進捗ステータスを分けて可視化することです。
回答状況を「未回答」「回答済み(未確認)」「差し戻し中」「確認済み」のように分けて管理しておくと、いま何件が確認待ちで、どの委託先からまだ回答が来ていないのかがひと目で分かります。
前回の回答との変更点を追えるようにしておけば、定期的な再確認もスムーズです。
あわせて、経済産業省・IPAの公式情報を定期的に確認し、申請方法や評価機関などが公開された段階で、自社の運用に照らして検討していくとよいでしょう。
まとめ:共通基準を意識し、確実な確認・履歴管理の土台を整える
SCS評価制度は、評価の取得だけを目的とした話ではありません。
サプライチェーン全体でセキュリティ対策状況を共通基準で確認していこう、という大きな流れのなかにあります。
任意制度であり、商取引を直接規制するものでもないため、過度に不安を煽る必要はありません。
ただし、制度の構築が進むなかで、委託先管理やセキュリティチェックシート運用を見直すきっかけにはなります。
重要になるのは、項目を作り替えることよりも、回答の回収・確認状況・差し戻し履歴・証跡管理を整えておくことです。
「回答済み」と「確認済み」を分け、根拠と確認の履歴を残せる状態にしておくことが、今後の説明責任につながります。
なお、こうした委託先確認の運用を整えるためのツールとして、チェックシート運用管理ツール「マモリス」があります。
マモリスは、SCS評価制度そのものを代替したり、評価取得を保証したりするものではありません。
一方で、委託先へのチェックシート配布、回答回収、未回答リマインド、確認状況の管理、差し戻し履歴、前回回答の確認、証跡資料の管理など、委託先管理に必要な確認業務を一元化しやすくする機能を備えています。
SCS評価制度をきっかけに、自社の委託先管理やセキュリティチェックシート運用を見直す場合は、こうした委託先管理ツールを選択肢の一つとして検討してもよいでしょう。
自社の委託先管理がどの段階にあるかを確認したい場合は、マモリスの無料診断で、現在の運用状況を簡単にチェックできます。委託先管理の運用状況を無料で診断する
よくある質問
Q1. SCS評価制度に対応するには、委託先管理ツールが必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
SCS評価制度は、特定の製品やツールの導入を必須とする制度ではありません。委託先が少なく、確認頻度も高くない場合は、Excelやメールで運用できることもあります。
ただし、委託先数や確認項目が増えると、回答状況、確認履歴、差し戻し履歴、証跡資料、前回との差分をExcelやメールだけで管理するのが難しくなる場合があります。その場合は、委託先管理ツールやチェックシート管理システムを検討するタイミングになります。
Q2. ISMS運用の委託先管理とSCS評価制度は関係ありますか?
制度としては別のものです。
ISMSは、組織の情報セキュリティマネジメントシステムを継続的に運用するための枠組みです。一方、SCS評価制度は、サプライチェーン上の企業のセキュリティ対策状況を共通基準で確認しやすくする制度です。
ただし、委託先の状況を確認し、判断理由や確認履歴を残すという実務面では重なる部分があります。ISMS運用で委託先管理を行っている企業も、SCS評価制度をきっかけに、確認項目や履歴管理の方法を見直す価値があります。
Q3. 委託先管理をExcelで続けても問題ありませんか?
委託先が少なく、確認頻度も高くない場合は、Excelで十分に運用できることもあります。
ただし、委託先数、確認項目、差し戻し、証跡資料、前回差分が増えると、最新版の管理や確認履歴の追跡が難しくなります。
Excelで管理を続ける場合でも、少なくとも「未回答」「回答済み」「確認中」「差し戻し中」「確認済み」を分けて管理することが重要です。
Q4. SCS評価制度では、委託先に何を確認すればよいですか?
制度上の要求事項や評価基準そのものは、経済産業省やIPAなどの公式情報を確認する必要があります。
実務上は、委託先ごとの取り扱い情報、求める確認水準、回答根拠、確認者の判断、差し戻し履歴、前回からの変更点を整理しておくことが重要です。
チェックシートを送って終わりにするのではなく、回答内容をどのように確認したかまで残せる状態にしておくことが、委託先管理では重要になります。
Q5. SCS評価制度に向けて、今すぐ評価取得を進めるべきですか?
現時点では、制度の詳細や申請方法など、今後公開・更新される情報もあります。
そのため、まずは自社の委託先管理の運用を棚卸しし、確認履歴や証跡資料を残せる状態にしておくことが現実的です。 評価取得そのものを急ぐよりも、委託先一覧、取扱情報、確認項目、回答状況、差し戻し履歴、前回との差分を整理するところから始めるとよいでしょう。
本記事は、公開されている経済産業省・内閣官房国家サイバー統括室・IPAの情報をもとに、SCS評価制度の概要と委託先管理への影響を整理したものです。
制度の詳細や運用スケジュールは今後更新される可能性があります。
最新情報は、各機関の公式情報をご確認ください。
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委託先の数が増えるほど、「依頼した」「回収した」までは追えても、「確認した」「次の更新で再確認した」が抜けやすくなります。
自社の委託先管理が今どの状態にあるかは 、10 問の診断でおおよそ見えます。登録は不要で、結果はその場で表示されます。
