セキュリティチェックで関係を壊さないための考え方
セキュリティチェックの結果を見て、
「今回は条件付きOKにしよう」と判断することは、実務ではよくあります。
ただ、そのあとでこんな悩みが出てきます。
- 改善してほしい点はあるが、どう伝えればいいか分からない
- 強く言いすぎると関係が悪くなりそう
- かといって、何も言わずに流すのも不安
条件付きOKは、
判断としては正しくても、その後の出し方を間違えると失敗しやすいところです。
改善要求は「指摘」ではなく「条件整理」
まず考え方として整理しておきたいのは、
改善要求はダメ出しではない、という点です。
- できていないから直せ
- 基準を満たしていない
こうした伝え方になると、
委託先は「責められている」と感じやすくなります。
実務でうまくいっているケースでは、
改善要求は条件の共有として出されています。
「この条件が満たされれば、こちらとしては進められます」
という形です。
いきなり細かい話から入らない
改善要求を出すとき、
いきなり細かい対策の話に入ると失敗しやすくなります。
たとえば、
- パスワードポリシーがどうこう
- 教育記録がどうこう
といった話から始めると、
委託先は身構えます。
まず伝えるべきなのは、
- なぜその点を気にしているのか
- どんな情報を守りたいのか
という背景です。
背景が分かると、
相手も「なるほど、それなら分かる」となりやすくなります。
改善要求は「全部」ではなく「絞る」
条件付きOKにした理由が複数あったとしても、
改善要求として出す項目は、絞った方がうまくいきます。
- 今回の取引に直結するもの
- 放置すると影響が大きいもの
この2点を基準に、
優先順位の高いものだけを伝えます。
全部直してもらおうとすると、
結局どれも進まないことが多いです。
「いつまでに」「どこまで」をはっきりさせる
改善要求がうまく進まない理由の一つに、
ゴールが曖昧なまま伝えている、という点があります。
- いつまでに
- どこまでできていればよいのか
この2点は、できるだけ具体的にします。
完璧を求める必要はありません。
「次回のチェックまでに」
「少なくともこの範囲まで」
このくらいの粒度で十分なケースが多いです。
技術的な正解を押し付けない
改善要求を出すとき、
つい「正しいやり方」を伝えたくなります。
ただ、実務では、
- 委託先の規模
- 体制
- 使っているツール
はさまざまです。
そのため、
やり方まで細かく指定すると、かえって詰まります。
「このリスクを下げたい」
「この状態は避けたい」
という目的を伝え、
方法は委託先に考えてもらう方が、結果的にうまくいくことが多いです。
改善できなかった場合の扱いも考えておく
改善要求を出す前に、
一つだけ社内で決めておきたいことがあります。
それは、
改善されなかった場合、どうするのかです。
- それでも取引は続けるのか
- 扱う情報の範囲を見直すのか
- 次回はNGにするのか
ここが決まっていないと、
改善要求がただのお願いになってしまいます。
よくある失敗パターン
現場でよく見る失敗は、次のようなものです。
- 改善要求を出したまま、フォローしていない
- 何を直せばよいのか、相手に伝わっていない
- 直したかどうかを確認していない
これでは、
条件付きOKにした意味がなくなります。
まとめ
条件付きOKにしたあとの改善要求で大切なのは、
- 相手を正すこと
- 正解を押し付けること
ではありません。
リスクを共有し、条件を整理し、次の判断につなげることです。
背景を伝え、
要求は絞り、
期限とゴールを決める。
それだけで、
改善要求は「揉め事」ではなく「前向きな調整」になります。
